組合員活動報告
ママが原告になったわけ ~石炭火力が招くみらい~
□開催日:2021年1月18日(月)
□主催:ビジョン未来と環境
□会場:オンライン(zoom)
神戸に新たに2つの石炭火力発電所が完成します。今年3号機が、来年4号機が稼働すると、計4基、日本最大規模の火力発電所が、わたしたちの住むすぐそばで動き始めることになります。今回、気候ネットワークの山本さん、弁護士の杉田さんから、気候危機と神戸の石炭火力発電、今行われている裁判のこと、そして原告ママになられた高田さんの決意をお話しいただきました。
ごく普通の主婦だった高田さんは、自宅近くに石炭火力発電の高圧送電線が通ることを知り、地域で反対の署名活動を開始。講演会で、娘さんのぜんそくの原因が石炭火力発電による大気汚染かもしれない事実に、自ら立ち上がることを決心、親子で原告になられました。
東日本大震災後、電力不足が心配され、2012年から50基の発電所が新設、さらに17基が建設中です。2020年過去最高の暑さを記録、気象災害による災害保険金の支払額も1兆円越えが続いています。地球規模で気候危機が深刻ですが、温室効果ガスと大気汚染両方で環境負荷の高い石炭火力発電は、日本で今も作られ続けています。日本では火力発電建設時に、PM2.5による影響を調査しなくても、確定通知(環境に配慮している通知)が発行されてしまいます。PM2.5は髪の毛の30分の1以下と非常に小さいため、簡単に肺の奥深くまで入ってしまい、基準値以下でも命に係わる可能性があります。芦屋が最大の汚染到達濃度で、季節によっては近畿がすっぽり覆われるくらい広がることには驚きました。 今行われている裁判は2つ、①民事訴訟:事業者に対する裁判(作るな・動かすな・動かさせるな)②行政訴訟:国に対して裁判(認めるな)というもの。今年3月には行政訴訟、来年3月には民事訴訟の判決が下ります。再エネや環境負荷がより少ない代替え案がある上、そもそも電力供給はすでに安定しています。石炭火力を新しく建て、大気・地球を悪化、わたしたちの生活を脅かす計画は、わたしたちの未来を考えているようには思えません。
コープ自然派兵庫では、2019年夏休みに行なった石炭火力発電裁判イベントで、親子で傍聴席をいっぱいにし、昨年11月からみんな電力の再エネ100%プランに切り替えました。わたしたちにはまだまだできることがたくさんあります。原告のほか、サポーター、署名(紙・電子)、パブリックコメント、いい記事への評価(いいね♡投稿・電話)、学んだこと・関心を誰かに伝えることや、消費活動として電気を選び、市民の意識もしっかりと伝えることができます。原告ママの高田さんが講演会で、見ず知らずのおばあちゃんからこう言われました。「私たちの力で止めてあげられなくてごめんね。」私たちは次世代の子たちたちに言いたくありません、言わせたくありません。一緒に声を上げていきませんか。