組合員活動報告
兵庫のお米が変わる!?何がどう変わるの?
2023.12.7
□開催日:2023.12.7(木)
□主催:ビジョン食と農・コープ自然派事業連合共催
□会場:神戸市中央区文化センター会議室1001・オンライン併用
土壌中のカドミウムの吸収を阻害するために、放射線を照射した新種の米をつくるという動きが秋田県に続き兵庫県でも進められようとしているという情報を得て、県内ではほとんど報道もされておらず知られていないこともあり、有機農業を推進しているコープ自然派として、組合員、役職員ともに、実態や問題点などを学ぶための学習会として急遽企画した。
◆印鑰智哉さん
日本の土壌にカドミウムが多いのは国策で進めた産業のせい。それなのにイタイイタイ病は公害病認定されていない。土壌の汚染対策という根本解決の方策をせずに、放射線育種米という方法をとるというのがそもそも問題。
そのうえ、放射線育種米の表示をしないという方針は許容できない。日本の有機認証に、放射線育種を容認させてはならない。
◆河田昌東さん
放射線照射による突然変異、品種改良技術は戦後すぐからあったが、今回浮上している放射線育種は従来のガンマ線ではなくイオンビーム。本来なかったタンパク質が作られる可能性もあり、安全性やアレルギーなど不明な点が多く、調べられてもいない。岡山大学では、カドミウム集積を抑制する遺伝子を特定し、その稲との交配で低カドミウム米の作成に成功している。カドミウム汚染対策に、放射線を照射するコシヒカリ環1号は必要ない。
◆谷口吉光さん
今回の問題なのは、安全かどうかではなく、全面切り替えが間違い。これまでのあきたこまちの種子生産も認める部分切り替えにしない理由をただす必要がある。同時に、消費者の権利を守るには、表示は不可欠。
市民としてできることは、学習会を開き、全面切り替えについて県に納得できる説明を求めること、さらに、「食の市民自治」をすすめること。
カナダ、韓国などでは市民が協議会をつくり行政に働きかけるフード・ポリシーカウンシル(食の政策をつくる市民会議)が活動している。グローバルフードチェーンに支配されないためにも、自分たちの問題を自分たちで動いて解決していくことが重要。