組合員活動報告
戦争の準備ではなく平和の準備を 川崎哲さん講演会
2023.3.27
□開催日:2023.3.27(月)
□主催:憲法連絡会
□会場:オンライン(ZOOMミーティング)
当日約60名、後日視聴含めると130名を超える申込みがありました。参加者からの質問やアンケート回答は一つ一つ内容が濃く、安全保障に対する危惧、関心の高さを感じました。
まず最初に「戦争のつくりかた」という短編アニメーション動画を見て、日本が今どのような状況にあるのかを知りました。その後、川崎哲さん(ピースボート共同代表、平和構想提言会議座長)より、日本の現状、国家安全保障戦略の問題
点、今後起きうること、私たちは考えをどう転換し平和のために何をすべきかなど、お聞きしました。
基本となる考えは、「“抑止力”で戦争は防げない」ということ。政府が防衛費倍増を決めたり、敵基地攻撃を可能にしたり、武器輸出の解禁が進む程に、戦争の「抑止」ではなくリスクを高めている。「国の安定をはかるのは軍事力しかな
い」という考えが跋扈(ばっこ)し、平和的外交努力が軽んじられている点が問題である。1987年米ソ首脳会議でINF(中距離核戦力)全廃条約が締結されたことを見ても、真に軍備の恐ろしさ、危険性を分かっているリーダーは軍縮に進むものである。日本も、中国や北朝鮮への恐怖を不必要に煽るのではなく、互いに脅威にならない道を進む重要性を語られました。
また、際限なき「同盟強化」は世界大戦につながる、と言います。実際、沖縄ではすでにアメリカと自衛隊共同の軍事演習が見られ、日本がアメリカの核に依存する姿勢も強くなっている。ロシアとウクライナの戦争に対する各国の動きを見
ても、代理戦争の様で世界を2分化する流れにある。「自由や民主主義が大事」という考えは大前提にあるが、一方で欧米中心世界への忌避反応から、ロシアを支持したり明確に反対を言わない国々が一定数いるのも事実。そんな世界情勢の
中で、どうすれば戦争を起こさないか模索し、多国的多角的な外交や多国間協議を行っていく必要がある、とのことです。
最後に、私たちにできること、市民が参画する新たな安全保障のあり方について、「紛争予防のためのグローバルパートナーシップ」「“台湾有事”を起こさせない沖縄対話プロジェクト」など実例をあげて説明されました。NGO・民間・自
治体間での対話による緊張緩和、人々をつなげる役割があるという言葉は、参加者一人一人何ができるかを考えるきっかけになりました。戦争になれば被害を受けるのは私たち一般市民です。4月には統一地方選挙があり、その後も選挙は続いていきます。国レベルでも自治体レベルでも、真に安全保障に感度のある候補者を見つけたり、共に議論を進めていける議員を選ぶことが大事だと、川崎さんのお話を聞いて改めて思いました。核兵器の賛否を問う「議員ウォッチ」もぜひ一度ご覧ください。
報告者:芝野絢子